マラソントラブル対策〜腹痛対策〜
ランニング中での腹痛はよく経験します。特に食事の消化不良による腹痛や脇腹の痛みなどはランニング中で腹痛になる経験をする人は多いと思います。脇腹痛の場合は左よりも右のわき腹が痛くなる場合が多いと言われています。
腹痛について痛みのよくある原因と、痛くならないようにする対策方法についてまとめました。
食事の消化不良による腹痛
食事の消化不良によるお腹の痛みは、食べたものが消化しきれず消化不良となり、腸のなかにガスが溜まる事が原因で、お腹の上部、みぞおちのあたりに痛みがあらわらわれます。
消化不良は主に胃が原因であり、通常物を食べた時は胃に血液が集まり消化活動が促されますが、食後のランニングの時は、血液が全身に拡散され胃に行く血液の増加が少なくなり、結果的に消化不良を引き起こします。対策方法は、胃での食べ物の消化の時間を考え、ランニングを始める時間から逆算して食事をする事です。何時間前が適切かは個人差があるため一概には言うことはできませんが、一般的にはランニングを始める2〜3時間前には食事を済ませておくと腹痛は起こりにくいと思います。また、たんぱく質や脂質が多い食事は消化が悪くなりますので、ランニング前は避けるか量を減らしたりする必要があります。
食べ物の消化の早さには個人差があったり、ランニングへの緊張から消化が悪くなる場合もありますので、普段の練習の時から、どのぐらいの時間であれば腹痛を起こさないかを意識してランニングを始めて下さい。また、走る前は消化のいいものを食べることも対策となります。
もしランニング中に腹痛を起こしてしまったら、スピードを緩めたり、少し歩いたりして痛みが治まるのを待ちましょう。
脇腹痛(左側)
ランニング中の脇腹痛は、走っている時に横腹の脇腹がズキズキと痛むことで、初心者のランナーに多く起こる痛みです。走り慣れている人でも、オーバーペースで走ったり、食後すぐに走っだ場合などに脇腹痛ご起こる場合もあります。
脇腹の左側が痛む場合は以下のような原因が考えられます。
左下腹部にある脾臓の痛み
体ね左側にある脾臓には血液が貯蔵されており必要に応じて筋肉に血液を送り出す働きをします。走る時は全身の筋肉に血液が必要で、走り始めは特に急に多くの血液が必要となります。全身の筋肉に血液を送るために、脾臓は貯蔵していた血液を送り出そうと激しい収縮を始めます。この脾臓の動きが脇腹の痛みとなります。
大腸にガスや便が溜まる事による痛み
大腸にはガスや便が溜まりやすい場所があり、特に体の左側にある脾湾曲部(大腸の急な曲がり角)にガスや便溜まりやすいと言われています。
大腸にガスや便が溜まっていると、ガスや便が大腸への刺激物となり痛みとなります。また、ウォーミングアップが不十分なときに急に走ると、横隔膜がけいれんし、腹痛を起こす場合もあります。
脇腹痛にならないように気をつける事は、走る前の十分にウォーミングアップをする事、便通をよくして便秘にならないようにしておく事、全力で急に走らないことが腹痛対策となります。
もしランニング中に腹痛を起こしてしまったら、スピードを緩めたり、少し歩いたりして痛みが治まるのを待ちましょう。
脇腹痛(右側)
体の右側には肝臓や胆のうがあります。肝臓は大きな臓器で、重さは体重の約1/50と言われており、成人で約1100~1400gあります。走る事で肝臓は揺れ、肝臓と横隔膜を結ぶ靭帯が引っぱられます。この時に痛みが起こります。また、横隔膜も呼吸により上下しますので、はげしく動いて呼吸が乱れたりすると肝臓と横隔膜を結ぶ靭帯が引っぱられ痛みが起こります。ウォーミングアップが不十分なときに急に走ると、横隔膜がけいれんし腹痛を起こす場合もあります。
脇腹痛にならないように気をつける事は、肝臓の揺れを減らすように腹筋をきたえる事、正しいフォーム(上下にぶれない)で走る事が腹痛対策となります。
もしランニング中に腹痛を起こしてしまったら、スピードを緩めたり、少し歩いたりして痛みが治まるのを待ちましょう。
脇腹痛でも走り続ける場合の対策
ランニング中に脇腹が痛くなってしまった場合の対処方法は、脇腹を伸ばすストレッチをおこなうと痛みが軽減する場合があります。
脇腹を伸ばすストレッチは、痛みがある側と反対側へゆっくりと体を反らします。勢いよく反らさず、反動をつけずに、ゆっくりと身体を倒していく事が大切です。
右側の脇腹が痛くなった場合
右の脇腹が痛くなってしまった場合は、右手をまっすぐ上に伸ばし、身体を左側に反らしながら右脇腹を伸ばすようにストレッチします。
左側の脇腹が痛くなった場合
左の脇腹が痛くなってしまった場合は、左手をまっすぐ上に伸ばし、身体を右側に反らしながら左脇腹を伸ばすようにストレッチします。
ランニングの時の腹痛の予防
ランニングの時の腹痛は食事の内容や、食事を摂るタイミングで予防することができます。
食事の内容は、野菜や芋類などの繊維質の多い食事、食品はガスが発生しやすいため、腸に負担がかかり、ランニングやジョギング直前に摂取すると腹痛になりやすいです。基本的には繊維質の多い食事、食品の摂取から12時間程度経過したら問題ありません。また、摂取の量が少なければ問題ありません。
食事を摂るタイミングは、ランニングやジョギングを行う3~4時間前に済ませておけば問題ありません。
まとめ
腹痛について痛みのよくある原因と、痛くならないようにする対策方法についてまとめてみました。腹痛の原因には、食事の消化不良やウォーミングアップ不足、便秘やガスによる胃や大腸への刺激、肝臓などな内臓の揺れによる事が考えられます。これらによる腹痛の対策には十分なウォーミングアップ、排便をしておく、急に全力で走らない、腹筋を鍛えるなどです。
その他に、急な腹痛も考えられますが、腹痛が起きたら走るのをやめて歩いたり、ランニングを止めたりして体に無理をしないようにしましょう。