ランニング中のケガ〜膝〜

ランニングなどのスポーツの怪我には、大きく分けてスポーツ外傷とスポーツ障害の2種類あります。スポーツ外傷は、物や人にぶつかったり、外部から瞬間的に強い力が加わることによる怪我で、スポーツ障害は、走ったり跳んだり投げたりと同じ動作の繰り返しにより、骨や筋肉、腱などが疲労して起こる怪我です。

特に、過度のランニングによる障害をランニング障害ともいい、疲労、過労、病的疲労が原因となります。障害が起きやすい部位は腰、股関節、膝関節、足などで、ランニング障害の多くを占めているといわれています。

膝の外傷と障害

膝関節はスポーツ中に怪我のしやすい部位の一つです。膝関節は大腿骨と、脛骨、膝蓋骨の3つの骨で構成されており、大腿骨と脛骨がぐらつかないように外側側副靭帯、内側側副靱帯、前十字靭帯、後十字靭帯の4つの靱帯が膝関節の安定に関与しており、外傷だけでなく使い過ぎによる障害などが起こりやすい部位です。

膝の痛みに対する緊急度

緊急性あり(早急に病院へ受診が必要)

膝が痛みだした時の症状で、

  • 歩けるか?
  • 痛い方の足に体重ががかけられるか?
  • 膝が曲がるかどうか?

の確認をします。

歩けない、体重がかけれない場合には、骨折や靭帯損傷などが疑われる為、早急にRICE処置を行い、整形外科等へ受診が必要となります。

症状や怪我の状態にもよりますが、RICE処置は添え木で固定や氷などで冷やすなどの処置です。

膝が曲げれない、痛みのために屈伸ができない場合には半月板損傷や、膝蓋骨の脱臼などが疑われます。伸ばしたまま、または一定の角度に曲げたままで、動かさず整形外科へ受診が必要となります。

やや緊急性あり(早めに病院へ受診が必要)

  • 膝の屈伸がしにくい場合
  • 膝を外反、内反した時に痛みがある場合
  • 膝周りが腫れが引かない場合

膝が痛みだした時の症状で、歩けない、痛い方の足に体重がかけれない、膝が曲がらない程の痛みではないが、膝の屈伸がしにくい場合では、急ぎではありませんが、整形外科へ受診が必要です。

膝の屈伸を45度以上できれば、1〜2日様子を見て、曲がらない状態や痛みが続く場合には病院への受診が必要です。

また、膝を外反、内反した時に膝の内側や外側に痛みがある場合では、靭帯損傷ね場合もありますので痛みが引かない場合は、整形外科等へ受診が必要です。

さらに、膝周囲の腫れが引かない場合には、膝の関節内が出血している場合もあります。特に腫れた場所がプヨプヨしていたり、コツコツと骨が当たる感じがする場合には注意が必要で、関節内の骨の骨折、半月板の損傷が疑われますので、2〜3日経過をみて、軽快しない場合には整形外科等を受診してください。

緊急性なし

膝の屈伸に異常がなく、膝周辺のみの腫れや痛みの場合は、うちみで異常がない場合が多くシップなどをはり、安静にしていればいい場合が多いです。

もし、痛みや腫れが一週間以上続く場合は整形外科等の受診をおすすめします。

膝周囲のスポーツ外傷

膝、膝周囲のスポーツ外傷には、靭帯損傷、靭帯断裂、半月板損傷、捻挫、骨折、脱臼、打撲(骨挫傷)、肉離れなどが考えられます。

靭帯損傷、靭帯断裂

膝の靭帯には外側側副靭帯、内側側副靱帯、前十字靭帯、後十字靭帯があり、膝周りに腸脛靭帯、膝蓋靭帯などがあります。これらの靭帯が膝関節の安定や膝関節の動きにに重要な役割をしています。

靭帯の位置は、膝の内側に内側側副靱帯、外側に外側側副靱帯、脛骨の前方から大腿骨側に前十字靱帯、脛骨の後方から大腿骨側に後十字靱帯があります。

身体の役割は、外側側副靱帯、内側側副靱帯は、膝が左右にグラつくのを抑えています。前十字靱帯は膝から下が前方へ異常に出過ぎないように抑えています。後十字靱帯は膝の全体の安定性を保っています。

膝の靭帯損傷は、膝関節へ外力が加わることで靱帯が損傷して痛み等の症状が出現する疾患です。外力が大きいと単独でなく複数の靱帯に損傷をきたしてくることもあります。2箇所以上の靱帯が損傷を受けた場合、膝複合靱帯損傷ともいい、1箇所の靭帯損傷よりも関節が不安定となり、半月板の損傷や軟骨の損傷を合併することが多くなると言われています。

ランニング中のケガ〜膝:靭帯損傷編〜

膝の靭帯の画像です。膝の靭帯には外側側副靭帯、内側側副靱帯、前十字靭帯、後十字靭帯があります。
膝の靭帯のイラスト

半月板損傷

半月板は膝関節(大腿骨と脛骨の間)にあるC型をした線維軟骨の板です。膝関節の内側・外側にあり、それぞれ内側半月板・外側半月板といいます。

半月板は、膝にかかる荷重を分散したり、衝撃を吸収したりする(クッション)役割をしています。亀裂や欠けたりして損傷すると、膝を曲げた時や伸ばした時に痛みやひっかかりを感じます。場合によっては、膝に水(関節液)がたまったり、ロッキングと言われる急に膝が動かなくなる状態になる場合もあります。

慢性化すると変形性膝関節症を引き起こす可能性もあります。

半月板損傷の詳細

ランニング中のケガ〜膝:半月板損傷編〜

半月板のイラスト

骨折

全身の骨

骨折は、外部から瞬間的に強い力が加わることにより起こり得ます。完全に折れてずれる骨折やずれのない骨折、ひびの状態の骨折などがあります。

腫れ、内出血、圧痛(押したときの痛み)、轢音(骨折部が動く音)、変形などが主な症状です。

骨折は、大きくわけて、閉鎖性骨折、開放骨折などに分けられます。

骨折の詳細

ランニング中のケガ〜膝:骨折編〜

打撲(骨挫傷)

打撲(骨挫傷)とは、衝突や転倒などの強い衝撃によって、筋繊維や血管が損傷することをいいます。激しくぶつかり合うスポーツで多く発生します。

(サッカーやラグビー、格闘技など)

圧痛(軽度)、腫れ、熱感のある痛み、内出血などが主な症状です。

打撲(骨挫傷)の詳細

ランニング中のケガ〜打撲(骨挫傷)編〜

膝捻挫

膝関節に力が加わり通常の可動域を超えて骨が動いた時に起こるケガをいい、関節を支える靭帯や関節包などの軟部組織や、軟骨が損傷することをいいます。

医学用語による定義では、

異常な外力により関節包や靭帯の一部を損傷していても、関節面相互の適合性が正常に保たれている状態

をいいます。

関節の腫れ、痛みなどが主な症状です。

膝の捻挫の詳細

ランニング中のケガ〜捻挫、脱臼編〜

膝蓋骨脱臼・亜脱臼

膝周囲で起こる脱臼は、膝蓋骨の脱臼がほとんどとです。膝蓋骨の脱臼は、膝関節にある膝蓋骨が本来の位置からずれることで、大腿骨に対して膝蓋骨がはずれてしまう状態です。

通常膝蓋骨は大腿骨の溝にはまり込む様に位置しており、この溝を越えてしまいはずれることを脱臼と言いいます。膝の外側への脱臼がほとんどで、内側への脱臼は非常にまれです。

、乗り越えるまではいかず、ずれることを亜脱臼と言います。

また、先天的に、大腿骨の溝が浅い人や、膝蓋骨の形成不全、膝蓋腱の付着部が外側に偏位しているなどの人に起こりやすいです。

外傷による場合だけでなく、膝蓋大腿関節の先天的な形態の異常、関節弛緩性、軟部組織のバランス異常などが原因となり膝蓋大腿関節から膝蓋骨がずれてしまう事もあります。

膝の脱臼の詳細

ランニング中のケガ〜捻挫、脱臼編〜

その他

変形性膝関節症

変形性膝関節症は、なんらかの原因で、膝の関節軟骨がすり減ったり、弾力がなくなることにより関節が変形してしまうことをいいます。
体重や加齢などの影響や外傷などにより膝への負担がかることなどが原因の事が多いと言われています。
男性よりも女性に多く、さらに高齢者になるほど変形性膝関節症の罹患率は高くなります。

膝の痛み〜変形性膝関節症〜

オスグッド

オスグッドは、正式には、オスグッド・シュラッター病といいます。

オスグッドの概要

発育期のスポーツ障害として知られており、成長期でスポーツをよくする人に多い疾患です。オスグッドは、膝蓋骨の下にある脛骨粗面が隆起して腫れや痛みが現れます。膝を曲げるときに痛みを感じることが多く、悪化すると歩くことも困難となる場合もあります。

オスグッドの痛みの原因

大腿の前面にある大腿四頭筋が収縮し脛骨結節を引っ張ることで曲げる動作が行えます。成長期の子どもでは、軟骨の部分が多く弱いため、筋肉が繰り返し骨を引っ張ることによって軟骨の一部が剥がれてしまい、腫れや炎症が起き、痛みが現れてしまいます。骨まで剥がれてしまうと剥離骨折となり激痛を伴います。

まとめ

2020-01-06マラソン 怪我マラソン,怪我

Posted by takacyan