ランニング中のケガ〜膝:靭帯損傷編〜

膝の靭帯には外側側副靭帯、内側側副靱帯、前十字靭帯、後十字靭帯があり、膝周りに腸脛靭帯、膝蓋靭帯などがあります。

靭帯が損傷すると膝関節の痛み、膝関節の安定性の低下が起こります。それぞれの靭帯の損傷の特徴と痛みについてまとめました。

みぎひざの正面から見たイラストです。靱帯(外側側副靭帯、内側側副靭帯、腸脛靭帯、大腿四頭筋腱、大腿二頭筋腱の位置を示しています。
右膝のイラスト

外側側副靭帯損傷

外側側副靭帯は膝の関節の外側についている靭帯で、大腿骨と腓骨をつないでいます。膝関節の外側の安定性を保つ働きをしています。

膝の関節に外側に強い衝撃を受けて内反強制(下腿を無理に内側に向けられる)の時に受傷し損傷します。

  • 膝の外側の痛み
  • 膝の外側を押さえた時や膝を曲げたり伸ばしたりした時に痛む
  • 膝を内側に反らせるような時に痛む
  • 膝の外側が腫れる
  • 膝を内側に反らせるとグラグラする感じがする

などの症状が現れます。

(膝は複雑な構造のため膝の外側の痛みの原因には他の原因の事もあります。)

内側側副靱帯損傷

内側側副靭帯は膝の関節の内側についている靭帯で、大腿骨と脛骨をつないでいます。膝関節の内側の安定性を保つ働きをしています。膝にある4つの靱帯の中で最も太く長く損傷が起きやすい靭帯です。

内側側副靱帯には、浅層と深層があります。内側側副靱帯浅層は関節裂隙の約5cm上方から約7cm下方の脛骨内側部に付着しています。

浅層を通常は内側側副靱帯と呼ばれ、浅層は半月板との直接の連続性を持っていません。

深層は関節包靭帯とも呼ばれ、内側半月板に付着しています。

膝関節の内側側副靭帯のイラストです。
内側側副靭帯の浅層、深層、半月板の位置関係がわかります。
内側側副靭帯(浅層、深層)

膝の関節に外側に強い衝撃を受けて外反強制(下腿を無理に外側に向けられる)の時に受傷し損傷します。

  • 膝の内側の痛み
  • 膝の内側を押さえた時や膝を曲げたり伸ばしたりした時に痛む
  • 膝を内側に反らせるような時に痛む
  • 膝の外側が腫れる
  • 膝の内側がグラグラする感じがする

などの症状が現れます。

(膝は複雑な構造のため膝の内側の痛みの原因には他の原因の事もあります。)

前十字靭帯損傷

膝関節を横から見たイラストです。大腿四頭筋腱、前十字靭帯、後十字靭帯、膝蓋靭帯、関節腔の位置を示しています。
膝関節(横から見た)のイラスト

前十字靭帯は膝の関節の中にある靭帯であり、大腿骨と脛骨を結んでいる靭帯です。膝関節の中には二つの靭帯があり、前十字靭帯、後十字靭帯があり、前十字靭帯は脛骨が前にずれないようにする働きがあり、膝の前方向や捻りに対して安定性を保つ働きをしています。前十字靭帯の損傷はスポーツによる膝外傷の中でも頻度が高い損傷です。スポーツ(バスケットボールやサッカー、スキーなど)などで、ジャンプ後の着地や急な方向転換の時や、急停止した時に起こりやすい損傷(非接触損傷)と、交通事故などで、膝の前面や膝下(下腿)に外側に強い衝撃を受けておこる接触損傷のタイプに分けられています。

  • 膝周囲の痛みや腫れ
  • 膝の曲げ伸ばしがしにくくなる
  • 歩いているときなどに膝が崩れる

などの症状が現れます。

(膝は複雑な構造のため膝の痛みの原因には他の原因の事もあります。)

後十字靭帯損傷

後十字靭帯は膝関節の中にある靭帯で、大腿骨と脛骨をつないでいる靭帯です。脛骨が後ろにずれないようにする働きがあり、膝の後ろ方向や捻りに対して安定性を保つ働きをしています。

膝にある4つの靱帯のなかで最も丈夫な靱帯です。

膝の前面や膝下(下腿)に外側に強い衝撃を受けて、下腿に無理に後方への力が加わった時に受傷し損傷します。ランニングのようなスポーツではあまり起こりにくい損傷ですが、ぶつかり合うスポーツ(ラグビー、柔道、相撲、スキーでの転倒)や交通事故などで膝を強く捻ったり、ぶつけたりした時に起こり得る損傷です。交通事故では、車の急停車によりダッシュボードに膝(特に脛骨の上部)をぶつけることによって起こるため、ダッシュボード損傷とも言われます。

  • 膝周囲の痛みや腫れ
  • 痛みによりうごかしにくくなり可動域が制限される
  • 膝裏の圧痛
  • 膝関節の不安定感

ジャンプの着地の時やダッシュの時、階段の昇降時や坂道の下りなど膝に体重がのった時にに膝の力が抜ける膝崩れ(Giving Way)

などの症状が現れます。

(膝は複雑な構造のため膝の痛みの原因には他の原因の事もあります。)

腸脛靭帯炎


腸脛靭帯は、腸骨から脛骨までの太腿外側についている靭帯で、大臀筋、中臀筋、大腿筋膜張筋が繋がってます。

ランニングや自転車を漕ぐなどで膝の屈伸をくり返す動作により、腸脛靭帯が大腿外側上顆で擦れ、摩擦が働きます。摩擦が繰り返される事で炎症を起こして大腿骨外側顆の部分に限局した圧痛が発生します。

  • 膝関節外側の圧痛や腫脹
  • 階段を降りる時の痛み
  • ランニングの時に体重が負荷された時(足が地面についた時)の痛み 

などの症状が現れます。

膝を90度曲げた後、ゆっくり伸ばしていくと膝の外側に痛みが出現する時、膝の外側(大腿骨外側上顆)を押すと痛みが出現する時などは腸脛靭帯炎を疑います。

(膝は複雑な構造のため膝の外側の痛みの原因には他の原因の事もあります。)

マラソン、ランニング時の腸脛靭帯炎の症状

私自身が腸脛靭帯炎を経験した時の症状です。

腸脛靭帯炎の経過1

膝の外側の痛みが走りはじめに時々現われ、痛みを少し我慢すれば走り続ける事もできます。

走っていると痛みは軽減したり消失する事もありました。特に足を曲げたり伸ばしたりした時に膝の外側の痛みが走り、じわっと痛い感じではなく、ピキッと痛む痛み方でした。膝を動かさなければ痛くないのと、曲げたり伸ばしたりしても痛い時と痛くない時があり、準備運動不足が原因と判断はしてランニングを続けていました。

本来は、この時に安静にすれば治りも早いのですが、走っても痛みが消えることがあるのでついついランニングを続けていました。

腸脛靭帯炎の経過2

膝の外側の痛みがあったりなかったりを繰り返すうちに、距離を伸ばした時や運動強度を上げた時に、走っている途中で痛みが毎回出るようになりました。走るのを止めると痛みも止まることもあらりますが、止まっていても痛みが消えなくなっていきます。

痛みは5キロくらい走ってすぐ現れる時もあれば10キロ~20キロ以上走れる時もあります。だんだん短い距離で痛みが出現し痛みで走れなくなってきます。膝を曲げる時に痛みが現れる事が多くなりました。

腸脛靭帯炎の経過3

膝の外側の痛みは走る時や、階段の昇り降りの時にに強い痛みを感じるようになりました。特に階段を降りる時に激痛が走るようになり足を前方にに出すのが辛くなり、痛みで普通に歩けなくなったり、膝の曲げ伸ばしができなくなります。痛みは「ピキッ」っと突き刺さるような痛みで膝関節の力が抜ける感じでした。しかし、膝の曲げ伸ばしをしなければ痛みはほとんどありません。

この時から走る事を自粛し、膝の曲げ伸ばしを極力避けるように生活を変えました。

鷲足炎

鵞足炎は鵞足滑液包炎とも呼ばれる膝の慢性的な炎症です。鵞足は”がそく”と読み、脛骨につながっている3つの腱をいい、3つの腱の形状がガチョウの足のようにみえるため鵞足と呼ばれています。3つの腱は縫工筋、薄筋、半腱様筋がそれぞれ脛骨とつなぎとる線維組織です。

鵞足炎(鵞足滑液包炎)は、ジョギング・ジャンプ・着地の繰り返しなど、膝の曲げ伸ばしの時に3つの腱と脛骨との間で摩擦で、傷つき炎症を引き起こすことが原因となり発症します。鵞足炎は鵞足に小さな損傷が生じることで痛みを感じます。鵞足滑液包炎は鵞足の下にある滑液包に炎症が起こることで痛みを感じます。

  • 歩いたり走ったりした時に膝の内側が痛む
  • 階段の昇り降りの時に膝の内側が痛む
  • 椅子から立ち上がる時に膝の内側が痛む

などの症状が現れます。

(膝は複雑な構造のため膝の痛みの原因には他の原因の事もあります。)

膝蓋靭帯炎

準備中

まとめ

2020-01-08マラソン 怪我

Posted by takacyan