暑い日のランニングの注意点と対策
梅雨明けて初夏、真夏となると、ランナーにとってこの時期は走り込みを行うことが多いのではないでしょうか。
梅雨明けして雨の日が少なくなり走ることができる日が増えてきます。(雨でも走るランナーもいますが・・・)
しかし、これからの時期は徐々に熱くなり、熱さとの戦いにもなります。
ランニングの習慣が身に付いていても、夏の暑い時期のランニングは苦手、すぐにバテル人も多いと思います。
快適に走るため、暑い時期でも効率のいい練習をするために、暑さから体を守りランニングを続けなくてはなりません。
私の考える夏の時期ならではの走り方の注意点と暑い日のランニングの必需品についてお伝えします。
また、暑さ本番になる前に、今からできる暑さ対策についても紹介します。
暑い日のランニングの注意点の概要
暑い日にランニングをすることの注意点やメリット、デメリットについて紹介します。
暑い日のランニングの注意点(概要)
適切な時間帯・場所を選ぶ
暑い時間帯や直射日光の強い時間帯にランニングをすると、体温が上がりやすくなります。できるだけ涼しい時間帯(早朝や夕方)に走るようにしましょう。朝早くまたは夕方遅くにランニングを行うメリットは、日差しが弱くなり、気温も低くなるため比較的快適に走れます。
日差しの強い時、夏場は路面が熱くなるため、公園や林間の道など、アスファルトよりも土の地面の場所選んで、少しでも涼しい場所で走ることを検討しましょう。
十分な水分を摂る
暑い日は体内の水分が失われやすいため、十分な水分を摂ることが重要です。運動前には十分な水分を摂り、ランニング中も適宜水分補給を行いましょう。特に長距離・長時間のランニングを行うときは、水分と電解質の補給を考慮してスポーツドリンクを携帯することが必要です。
適切な服装をする
暑い日にランニングをする場合は、通気性がよく吸汗性のある服装を選びましょう。また、帽子や日焼け止めを使用して日焼けや熱中症の予防に努めましょう。
適度な強度で走る
暑い日には無理な運動は身体に負担をかけるため、適度な強度でランニングを行いましょう。体力や体調に合わせて無理のない運動量を心がけましょう。
熱中症の症状に気をつける
暑い日にランニングをする場合、熱中症の症状に注意する必要があります。熱中症の症状としては、めまい、吐き気、頭痛、動悸、息切れなどがあります。もし熱中症の症状が現れた場合は、すぐに休憩を取り、涼しい場所に移動しましょう。必要に応じて医療機関を受診しましょう。
暑い日のランニングをするメリット
マラソン大会の開催は9月から開催される大会もあります、残暑が10月まで続き大会当日の気温が30度を越える場合も想定されます。暑い日でも大会は開催されるため、暑さに体が慣れていないと記録更新どころか完走ですら危険な場合もあります。
暑い日にランニングの練習することによって、暑さ慣れることができ、暑さ対策についても身を持って体感できるので暑い日特有のトラブルを見つけることができます。
また、暑い日というコンディションの悪い時に走る経験が大会で走る自信になります。
また、夏は普段の生活の中で汗をかくため動しなくても痩せると勘違いをし運動不足になりやすくなりますので、運動不足解消に効果的です。(体温が冬に比べて高いため、基礎代謝が自然と落ちるめ、夏は冬に比太りやすくなります)
その他に、夏バテ解消、発汗量が多いためデトックス効果が高いなどのメリットがあります。
暑い日のランニングのメリット~まとめ~
- ランニングを行うことで運動不足解消
- 夏バテ解消
- 発汗量が多いためデトックス効果
- 暑く苦しい時に走ったことによる走る自信がつく
暑い日のランニングをするデメリット
暑さによりモチベーションが下がってしまい、走ることが億劫になってしまうことがあります。
また、暑さ、日差しの強さで今まで走っていたペースで走れなくなってしまう事もあります。
更に、日差し、紫外線による、日焼けが気になる人も多いと思います。日差し、紫外線は、浴びすぎるとシミやシワの原因にもなります。
暑い日のランニングのデメリット~まとめ~
- ランニングに対するモチベーションの低下
- 日差し、紫外線による、日焼け、シミ、シワ
- 熱中症等の危険
暑い日のランニングで注意すること
暑い日のランニングでは、熱中症や脱水などの体調不良などの危険があります。これらの危険は対策をしっかりおこなうことにより回避できることもありますので、暑い日のランニングで知っておくべき注意を紹介します。
暑い日のランニングで注意すべき危険
暑い日のランニングでは、大きく4つの危険があります。
危険は、
- 熱中症
- 脱水症
- 水中毒
- 内臓疲労
などです。
熱中症
熱中症は、熱射病、熱疲労、熱失神などの症状の総称で、暑さにより体温の調節がうまくできなくなったときや、体内の水分量や塩分量のバランスが崩れるなどが原因となり引き起こされます。
主な症状としては、頭痛、嘔吐、けいれんなどの症状のほか、重症化すると命に関わる症状が現れることもあります。
脱水症
ランニングやジョギングなどの運動時には大量の汗が出て、体内の水分量が少なくなり脱水症となります。
主な症状としては、のどの渇き、頭痛、吐き気、めまい、食欲の低下などの症状のほか、重症化すると命に関わる症状が現れることもあります。
水中毒
大量の水分を取りすぎることにより、体内のナトリウム濃度が下がり水中毒となる可能性があります。
主な症状としては、頻尿、頭痛、めまい、下痢などの症状のほか、重症化すると錯乱、呼吸困難、命に関わる症状が現れることもあります。
内臓疲労
食事により内臓疲労が起こる場合もあります。冷たい麺類やスープ、冷えた飲み物などの飲食物により内臓が冷え機能が低下してしまいます。
暑さから体を守るランニング
暑い日のランニングの暑さ対策と必需品
ランニング時の暑さ対策
一般的な熱中症予防
一般的な熱中症の予防の方法として、日差しのある屋外では帽子や日傘を使用したり、こまめに日陰に入って休憩をしたりする事が予防に繋がります。
また、気温や湿度が高い日には、昼間の外出は控えたり、屋内でも室温を扇風機やエアコンで調節する事を心がけることも大切となります。
その他に脱水にならないように、こまめに経口補水液やスポーツドリンクなどで水分や塩分を補給することも熱中症予防につながります。
汗をかいたら水分補給を!!
体温調節で汗をかいた時には、体から水分が失われます。この、体から失われる水分は体液で、水だけではなく、ナトリウムやカリウムなどのイオン(電解質)も含まれおり、生命に関わる重要な役割をしています。
体温のコントロール
暑い日にランニングをする時には体温のコントロールする事が必要になります。
体温は普段は暑くても寒くても同じくらいに保たれています。人は恒温動物ですので、健康であれば、生命を維持するために寒波に襲われても熱波にさらされても体温はほとんど変化はありません。
これは、体が暑くなると手足や顔が赤くなったり汗をかき、逆に寒くなれば手足が冷たくなったりふるえたりして体温を一定の幅に保つようにコントロールしているためです。
ランニングなどの運動をしている時には、熱が発生して体が暑くなりますが、体温を一定の幅に保つために、皮膚の血流を増やすなどによって熱を皮膚から体の外へ逃して体温調節作用を行っています。
この体温調節がうまくいかなくなると、体に熱がこもり熱中症等に、なってしまいます。
走る時間
暑い日(夏場)のランニングの時間帯は涼しい時間帯を選んで走ることが大切です。
酷暑の真昼を避けて、早朝または日没後がおすすめで、熱中症や脱水症状を防ぐために30度を超えるような時間帯は避けるようにしましょう。早朝では、1日の中で一番気温が低いのが日の出直前から日の出1時間後で8時までの時間帯が走りやすいと思います。
朝早起きが可能な人であれば4時から6時ぐらいの時間帯が最もおすすめです。
日没後では、舗装された道は熱が残っていることも多いので体が熱くなりやすいため注意が必要です。20時以降の時間帯であれば道路の熱も下がり始めるためおすすめです。
早朝の練習のメリット
- 気温が低いため熱中症のリスクが低い
- 体温が低いため熱中症のリスクが低い
- 脂質代謝に改善、向上を促進できるなどがあります。
走る場所
ランニング中
その他
ランニングと日焼け
ランニングのマスク焼けを防ぐ
マスク焼けはマスクをしている部分とそうでない部分とで焼けムラが出てきてしまうことを言います。新型コロナウィルスの感染予防に、ランニングなどで屋外で運動をする時もマスクをすることもあると思います。日差しがの強さに限らず紫外線量が多い日では、日焼けがマスクによりムラになってしまいます。
マスクによる日焼け対策を少しでも行い、マスク焼けを減らす方法を紹介します。
マスクによる日焼けムラ
マスクをしている所としていない所の日焼けのムラの原因には、マスクの部分が白い、マスクをしているとこだけ日焼けするの2つが考えられます。
マスクをしている部分のみ白っぽくなる
マスクをしている部分は、マスクで紫外線が少しだけさえぎられ、日焼けしにくくなります。
そのためマスクをしていない所よりも日焼けをしていない為、少し白っぽくなります。
マスクをしているところだけ日焼けしている
汗・蒸れ・摩擦等で顔に塗布した日焼け止めが落ちてしまい日焼けしてしまいます。特に鼻や頬などの出っ張っている部分はマスクと擦れやすく、日焼け止めも落ちやすいため焼けやすくなります。
暑い日のランニング時の必需品
熱中症と脱水について
熱中症
熱中症は暑い環境で発生する障害の総称です。熱失神、熱疲労、熱けいれん、熱射病があります。
熱疲労
熱疲労は、脱水による症状でめまい、吐き気などがみられるます。
熱射病
熱射病は、体温上昇によって中枢機能に異常をきたし、意識障害などを起こすこともあり、死亡率が高い危険な障害です。特に、湿度が高く、運動強度が強いほど熱の発生も多くなり、熱中症の危険性は高くなります。
脱水
体液が汗で失われ水分の補給が十分にできていない場合に脱水症はおこります。
脱水症になると血液の量が減少、血圧が低下、十分な栄養素が体に行き渡らなくなったり、不要な老廃物を排出する力も低下します。この状態が続き、筋肉から水、電解質が失われると脚がつり原因となったり、しびれが起こることもあります。
熱中症の主な症状〜重症度別〜
熱中症(軽症)
めまい、筋肉痛、手足のしびれなどの症状が現れたとき。
軽症ですが、熱中症に対する応急処置が早めに必要です。
すぐに涼しい場所へ移動して、体を冷やし、水分をとってください。
熱中症(中等症)
嘔吐、頭痛、けん怠感など、体がぐったりする、力が入らないなどの症状が現れたとき。
中等症になるといつもと様子が違うなどで気づきます。
医療機関へ救急での受診が必要です。
熱中症(重症)
意識障害、けいれんやまっすぐ歩けない、四肢の運動障害、体の高体温などの症状が現れたとき。
至急、医療機関へ救急での受診が必要です。
暑さ指数(Wet Bulb Globe Temperature:WBGT)
熱中症予防に使われる指標に暑さ指数で「湿度」「輻射熱」「気温」の3つを考慮して暑さ指数は示されます。
暑さ指数(WBGT)湿球黒球温度とは
暑さ指数(WBGT)は、Wet-Bulb Globe Temperature(湿球黒球温度)の略称で、下記の測定装置の3種類に測定値(黒球温度、湿球温度及び乾球温度)をもとに算出されます。
黒球温度(GT:Globe Temperature)は、黒色に塗装された薄い銅板の球(中は空洞、直径約15cm)の中心に温度計を入れて観測します。黒球の表面はほとんど反射しない塗料が塗られています。この黒球温度は、直射日光にさらされた状態での球の中の平衡温度を観測しており、弱風時に日なたにおける体感温度と良い相関があります。
●湿球温度(NWB:Natural Wet Bulb temperature)は、水で湿らせたガーゼを温度計の球部に巻いて観測します。温度計の表面にある水分が蒸発した時の冷却熱と平衡した時の温度で、空気が乾いたときほど、気温(乾球温度)との差が大きくなり、皮膚の汗が蒸発する時に感じる涼しさ度合いを表すものです。
●乾球温度(NDB:Natural Dry Bulb temperature)は、通常の温度計を用いて、そのまま気温を観測します。
暑さ指数(WBGT)の算出式
屋外での算出式
WBGT(℃)=0.7 × 湿球温度+0.2 × 黒球温度+0.1 × 乾球温度
屋内での算出式
WBGT(℃)=0.7 × 湿球温度+0.3 × 黒球温度
https://www.wbgt.env.go.jp/doc_observation.php
ランニングとマスク
ランニングなどで体を動かす時には、体は十分な酸素を必要とします。昨今、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策としてマスクをしてランニングをする人が多くなりましたが、マスクの着用は呼吸の妨げになり、体に取り込む空気(酸素)の量が少なくなり、パフォーマンスが落ちてしまいます。また、マスクによる口周りの皮膚トラブルも多く報告されています。
マスクと皮膚のトラブル
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策としてマスクをしてランニングを行う人も多いと思います。マスクをしてのランニングで、今の時期、これからの時期は高温多湿の日が多くなり、
- 「マスクの中が蒸れる」
- 「息苦しい」
- 「肌がかゆい」
などの不快な状態でランニングをすることになりさまざまなトラブルが起こる可能性があります。
ランニングの時にマスクをしている時のトラブルは、マスクこもった息の湿気とに汗が加わることによる口の周囲のトラブル(かゆみや皮膚の炎症など)や、マスクと皮膚との間の摩擦により、口の周りが赤みを帯びたりかゆくなったりするトラブルがあります。マスクと皮膚との間の摩擦によるトラブルは、皮膚を保護する角質が蒸れによりバリア機能が低下してしまう事で皮膚にトラブルがおこります。
ランニングの時にマスクをしている時のトラブルを回避するためには、
- 皮膚を清潔に保つ
- マスクは決められた期間で使い捨てにする
- マスクを清潔を保つ
- 肌への負担を減らすため化粧はできるだけナチュラルにする
- 日焼け対策をする(特にマスクで隠れる隠れない野良境界線)
などがあります。